明治維新の大業以来 大東亜戦争までの幾多の国難に際して、身命を賭して我が国家と民族を護ってこられた英霊の皆様をお祀りする此の陸軍墓地の各石碑が、去る平成17年3月21日の福岡県西方沖地震により相当の被害を受けました。国有地の墓地の上に建立された此の石碑群の被害の修復は、国又は地方自治体等の責務と思いましたが、その気配が無く、交渉するも応じず、遂に福岡県郷友連盟をはじめ関係諸団体が相集い、石碑修復委員会を立ち上げ、広く有志の方々に協力を呼びかけた処、八百数拾人の方々に資金提供を賜りました。
早速 國松石材に工事を発注し、動いた碑柱のずれ直し等に着工し、19年秋の慰霊祭に間に合いました。然し 心配していた墓内の状況は扉の鍵を破壊して調査した結果、多くの棚板は落下破損し、英霊の骨壺も多数が落下、深さ胸までもの満水という驚くべき惨状が判明。委員一同申し訳無しと暗然と致し、直ちに修復を計画、棚板を宮崎県小林市にて楠材にて調達、御壺は一時國松石材に移送管理し、委員総出で整理・番号付け等を行い、11月に改良工事と骨壷御霊のお戻りを完了、本日落成の式典をとり行うに至りました。ここに眠られる数萬の英霊の方々には再び安らかに鎮まりまして、更に我が国が一日も早く真の姿に立ち返るように御導き御加護を賜りますよう心から祈念いたします。
平成20年12月6日
陸軍墓地石碑修復改良委員会
委員長 菅原道之
福岡県郷友連盟は6月16日、新防衛大綱策定に対する提言書を、衆参両議長、総理大臣、関係大臣のHPあてにメールで送付、提出した。その内容は次のとおりです。
記
内外の諸情勢の変化を踏まえ、本年末までに現行16防衛計画の大綱に代わる新防衛大綱が策定される運びのようである。
防衛大綱は我が国の安全保障の基本方針に基づき、自衛隊の具体的な体制、主要装備品の整備基準等、今後の防衛力の基本的な指針を示すものであり、九州、特に福岡県は、中国、朝鮮半島に対し、第一線の玄関口に位置し、県民の生命財産の保全を第一に考える場合、今後の国の安全保障の体制については、等閑視できる立場ではなく、重大な関心を抱いており、ここに提言書を提出するものである。
平成3年のソ連崩壊により冷戦構造がすべて崩壊したと一般的に認識されているが、日本の周辺である北東アジアでは依然として残存しており、さらに近年においては世界的な構造変化に向かおうとしている。中国やインドが急速に台頭し、またロシアが復活する中で、イラク戦争の挫折や今般の金融危機などを契機として、世界唯一の超大国といわれてきた米国のパワーと地位が相対的に低下し、その一極支配の構造に大きな変化が起こり、多極化の兆しが現れつつある。
我が国の唯一の同盟国米国のパワーと地位が揺らげば、隣接の大陸国家である中国とロシアから圧力が強まるのは必定であり、また北朝鮮の核ミサイル開発は目前の危機である。そして、中国の近年の軍事力増強は目を見張るものがあり、核ミサイルの量と質、陸、海、空軍の通常戦力の量質ともに向上しており、独裁国家の場合、侵略の意志さえ持てばいつでも侵攻出来るものであり、その能力はすでに保有しているものと思われる。
我が国への本格的侵攻があった場合、九州周辺の島から始まり、九州北部西部での着上陸侵攻が可能性として強く、その場合、福岡県民の生命財産ともに壊滅的な被害を受けることが予想される。
現在福岡県には陸、空自衛隊員約一万人が所在しているが、これを削減することは県民感情としては心底不安を感ずるものであり、島嶼防衛等を考えれば増強すべき状況にあると思料するものである。
また、隊員の存在は、自然災害時の災害派遣として県民の最後の頼りであり、万一の場合の治安維持を含めた精神的な支柱でもある。そしてまた、隊員の存在自体がそれぞれの地域の経済的、心情的な活性化の基盤となっており、隊員の削減は地元市町村に死活的な影響を与える可能性がある。
現行16大綱では、弾道ミサイル対処、ゲリラ特殊部隊対処、島嶼部対処、等を重視し、本格的侵攻の可能性は低下していると判断されるので、本格的侵略対処のための装備と要員は抜本的に見直し縮減を図るとされており、現に戦車、大砲の数を削減しその定員を減じる措置が行われている。
しかし今は北朝鮮の核ミサイルの開発、中国の軍事力増強の速度を見る場合、本格的侵攻の可能性が低下しているとの判断は大いに疑問のあるところである。
これまでは冷戦構造で日本の安全保障は米国に依存していたが、今は米国一極支配の終焉という国際情勢の構造的変化の時代となり、また周辺国の軍事的脅威の増大などを踏まえ、我が国は日米同盟を堅持しつつも自らの防衛力の強化を図り、自主の道を目指すべき時であろうと確信するものである。
このような考えから、これまで財政上から防衛関係経費はGNPの1%以内とする不文律の方針があるが、国家として運営する上で安全保障の優先順位について議論され、装備人員の削減ではなく、防衛関係経費のGNP1%を越えた増加について検討され、新防衛大綱の策定に当たられるよう強く要望するものである。
平成21年6月16日
社団法人 福岡県郷友連盟会長
中野純人
平成21年5月27日福岡市東区筥崎宮及び博多湾において日本海海戦104周年記念大会並びに彼我戦没者海洋殉職者慰霊平和祈念式が行われました。
福岡県郷友連盟は本大会の協賛・協力団体として県本部から中野会長、山崎副会長、木原理事、福村理事及び間監事が参加し、また、飯塚支部および他の支部からも会員多数が参加しました。
記念行事は、午前10時から筥崎宮御本殿において記念祭典が筥崎宮田村宮司ほかの神官によって執り行われ、続いて記念式典が厳かに行われました。我が中野会長は本大会運営の副理事長として、明治43年東郷元帥が当会に寄せられた式辞の代読という務めを果たしました。
祝宴に続いて午後は博多港中央埠頭へ貸し切りバスで移動し、海上自衛隊護衛艦「利根」に乗艦して体験航海を兼ねて震災から復興した玄界島の沖の洋上で追悼式が海上自衛隊側の執行により行われ、日本海海戦における彼我戦没者並びに貿易・漁業等における海洋殉難者の偉功を称え、御霊への感謝と鎮魂の誠が捧げられました。
今年の洋上追悼式は、海上自衛隊艦艇の海外派遣の事情もあり2,000トン級護衛艦1隻のみで行われ、乗艦券が入手できなかった若い男性が移動バス発車寸前に「毎年必ず洋上追悼に参加してきたのに献花ができないとご先祖に申し訳ない」と乗艦券を譲ってくれる人を探し、その気持ちを汲んで譲る人が現れるという一コマもありました。
若くても真剣に英霊を顕彰し続ける人がいること、気持ちよくそれを適えさせる人がいることを目の当たりにして心温まる想いがしました。
(記述:間)