明治維新の大業以来 大東亜戦争までの幾多の国難に際して、身命を賭して我が国家と民族を護ってこられた英霊の皆様をお祀りする此の陸軍墓地の各石碑が、去る平成17年3月21日の福岡県西方沖地震により相当の被害を受けました。国有地の墓地の上に建立された此の石碑群の被害の修復は、国又は地方自治体等の責務と思いましたが、その気配が無く、交渉するも応じず、遂に福岡県郷友連盟をはじめ関係諸団体が相集い、石碑修復委員会を立ち上げ、広く有志の方々に協力を呼びかけた処、八百数拾人の方々に資金提供を賜りました。
早速 國松石材に工事を発注し、動いた碑柱のずれ直し等に着工し、19年秋の慰霊祭に間に合いました。然し 心配していた墓内の状況は扉の鍵を破壊して調査した結果、多くの棚板は落下破損し、英霊の骨壺も多数が落下、深さ胸までもの満水という驚くべき惨状が判明。委員一同申し訳無しと暗然と致し、直ちに修復を計画、棚板を宮崎県小林市にて楠材にて調達、御壺は一時國松石材に移送管理し、委員総出で整理・番号付け等を行い、11月に改良工事と骨壷御霊のお戻りを完了、本日落成の式典をとり行うに至りました。ここに眠られる数萬の英霊の方々には再び安らかに鎮まりまして、更に我が国が一日も早く真の姿に立ち返るように御導き御加護を賜りますよう心から祈念いたします。
平成20年12月6日
陸軍墓地石碑修復改良委員会
委員長 菅原道之