第45回衆議院議員選挙は、8月31日に投票が行われました。結果は皆様ご承知の通り、民主党308議席、自民党119議席という、民主党の圧勝で終わりました。福岡県郷友連盟は、郷友政治連盟という政治活動ができる組織でもあるため、隊友会、父兄会とも協同して、選挙の支援態勢を確立して自民党の各候補者を後援して、選挙に臨みました。選挙戦は、民主党の「政権交代」というキャッチフレーズに風が吹き、民主党の圧勝の結果が出ました。民主党のマニフェストで、中学生以下の子供への一律の子供手当ての支給、高速道路の無料化、農家の戸別所得保障、コンクリートから人への政策の下、ダムや道路、空港等予算の凍結、政治主導による官僚政治からの脱却等が自民党の60年間に亘る政治に反感を持っていたテレビ、新聞を始めとするマスコミの反響を呼んだのも事実でした。しかしながら、マニフェストに防衛政策や外交についての表現はありません。旧社会党左派から自民党旧田中派までを含有する民主党の、アキレス腱でもあります。
郷友連盟は、誇りある日本の再生を目指す組織です。国家運営の基本は、尊厳ある日本国家の再建のためには、国益を基本に見据えた外交や日本国の領土を守り、国民の安全を確保する国家防衛が国家運営の第一の基本姿勢だと考えます。
前政府が、米国との間に合意した在日米軍の再編計画は、国家意思の継承という観点からも継承すべきです。普天間基地のキャンプシュワブ沖への移転を白紙撤回しました。更に、総理大臣、外務大臣、防衛大臣の普天間移転に関する発言が異なり、米国との間に物議をかもしています。
又国家の経済は、国家運営の最も重要な事項です。民主党政府の概算要求は90兆円を超え、経済情勢の悪化から税収は40兆円を割り込む状況です。自民党政権のツケがあったとはいえ、日本の経済を立て直す予算編成ではありません。
誇りある日本の再生を目指す郷友連盟としては、日本の独立を保障する日米同盟を更に強固なものにするため、政府として具体的な方策を確立し、アジア共同体という意味不明な発信ではなく、対中国、対北朝鮮、対東南アジア政策を具体化し、アジアの中における日本の政治、経済、軍事面の立場を明確にした政策を発信すべきと考えます。
聞き心地の良いアメ色発信だけでは、東シナ海ガス田開発や尖閣諸島に対する中国船の調査活動、更には沖縄諸島に対する中国海軍の領海侵犯等に対して効果は無く、放置すれば中国に日本の領土を侵犯される結果になると憂慮するものであります。
どの政党が政権を担当しても、現状の世界の政治・経済情勢の中で、日本だけが立ち直り国家を繁栄させることは困難な状況にあります。この中にあって、国家の尊厳を維持する外交政策、混迷する西側諸国のアフガニスタン軍事支援政策、テロとの戦い等においての日本の貢献のあり方、又国内経済の建て直し、300万人と言われる若者の非正規雇用の解消のための政策を、政府全力をあげて確立し強い信念のもとに実行してもらいたいと願う次第です。郷友福岡を購読されている皆様は、如何お考えでしょうか。
以上
福岡県郷友連盟 吉田邦雄
4月24日、参議院決算委員会において衛藤晟一参議院議員が質問に立ち、福岡の陸軍墓地(※注)の例を上げ、かっての占領政策の一環で戦没者追悼についての一切の法令、制度が破壊された結果、明治維新から日清・日露、大東亜戦争に至る国内82ヶ所の軍人墓地の管理は地方自治体に丸投げされた状態で、その多くが荒廃していることを指摘。改めて国家として管理すべきではないかと追求した。
舛添厚労大臣は、「大きな意味での戦後処理での一環ですから、これは関係省庁と連携を取りながら、国の責任としてきちんと管理していきたいと思っております」と応えた。また、衛藤議員は遅々としか進んでいない海外の遺骨収集についても質した。
(以上、「祖國と青年」記事抜粋)
(※注)福岡県陸軍墓地(谷陸軍墓地)は現在、国有地として財務省理財局の所管で戦後、軍所有の土地や施設は国有財産法に基づいて、国の一般財産として大蔵省に移管されている。また昭和44年、大蔵省は福岡市の谷陸軍墓地を福岡市に対して無償貸付、管理者は福岡市市役所(公園部分:福岡市中央区役所、墓地部分:福岡市保健福祉局)と契約を結んでいる。
谷陸軍墓地は福岡県郷友連盟主催で毎年10月、慰霊祭を実施している。平成17年の福岡県西方沖地震での被害により、石碑や骨壷に重大な被害があり、地元有志で陸軍墓地石碑修復改良委員会が設立され、有志団体、個人の浄財で平成20年11月に修復完了、翌12月6日に福岡陸軍墓地修復落成式が挙行された。衛藤晟一参議院議員はこの現状について国、県、市の管理責任並びに英霊に対する国の責任を問うたものである。
福岡県郷友連盟会長
中野純人
福岡県郷友連盟は6月16日、新防衛大綱策定に対する提言書を、衆参両議長、総理大臣、関係大臣のHPあてにメールで送付、提出した。その内容は次のとおりです。
記
内外の諸情勢の変化を踏まえ、本年末までに現行16防衛計画の大綱に代わる新防衛大綱が策定される運びのようである。
防衛大綱は我が国の安全保障の基本方針に基づき、自衛隊の具体的な体制、主要装備品の整備基準等、今後の防衛力の基本的な指針を示すものであり、九州、特に福岡県は、中国、朝鮮半島に対し、第一線の玄関口に位置し、県民の生命財産の保全を第一に考える場合、今後の国の安全保障の体制については、等閑視できる立場ではなく、重大な関心を抱いており、ここに提言書を提出するものである。
平成3年のソ連崩壊により冷戦構造がすべて崩壊したと一般的に認識されているが、日本の周辺である北東アジアでは依然として残存しており、さらに近年においては世界的な構造変化に向かおうとしている。中国やインドが急速に台頭し、またロシアが復活する中で、イラク戦争の挫折や今般の金融危機などを契機として、世界唯一の超大国といわれてきた米国のパワーと地位が相対的に低下し、その一極支配の構造に大きな変化が起こり、多極化の兆しが現れつつある。
我が国の唯一の同盟国米国のパワーと地位が揺らげば、隣接の大陸国家である中国とロシアから圧力が強まるのは必定であり、また北朝鮮の核ミサイル開発は目前の危機である。そして、中国の近年の軍事力増強は目を見張るものがあり、核ミサイルの量と質、陸、海、空軍の通常戦力の量質ともに向上しており、独裁国家の場合、侵略の意志さえ持てばいつでも侵攻出来るものであり、その能力はすでに保有しているものと思われる。
我が国への本格的侵攻があった場合、九州周辺の島から始まり、九州北部西部での着上陸侵攻が可能性として強く、その場合、福岡県民の生命財産ともに壊滅的な被害を受けることが予想される。
現在福岡県には陸、空自衛隊員約一万人が所在しているが、これを削減することは県民感情としては心底不安を感ずるものであり、島嶼防衛等を考えれば増強すべき状況にあると思料するものである。
また、隊員の存在は、自然災害時の災害派遣として県民の最後の頼りであり、万一の場合の治安維持を含めた精神的な支柱でもある。そしてまた、隊員の存在自体がそれぞれの地域の経済的、心情的な活性化の基盤となっており、隊員の削減は地元市町村に死活的な影響を与える可能性がある。
現行16大綱では、弾道ミサイル対処、ゲリラ特殊部隊対処、島嶼部対処、等を重視し、本格的侵攻の可能性は低下していると判断されるので、本格的侵略対処のための装備と要員は抜本的に見直し縮減を図るとされており、現に戦車、大砲の数を削減しその定員を減じる措置が行われている。
しかし今は北朝鮮の核ミサイルの開発、中国の軍事力増強の速度を見る場合、本格的侵攻の可能性が低下しているとの判断は大いに疑問のあるところである。
これまでは冷戦構造で日本の安全保障は米国に依存していたが、今は米国一極支配の終焉という国際情勢の構造的変化の時代となり、また周辺国の軍事的脅威の増大などを踏まえ、我が国は日米同盟を堅持しつつも自らの防衛力の強化を図り、自主の道を目指すべき時であろうと確信するものである。
このような考えから、これまで財政上から防衛関係経費はGNPの1%以内とする不文律の方針があるが、国家として運営する上で安全保障の優先順位について議論され、装備人員の削減ではなく、防衛関係経費のGNP1%を越えた増加について検討され、新防衛大綱の策定に当たられるよう強く要望するものである。
平成21年6月16日
社団法人 福岡県郷友連盟会長
中野純人