4月24日、参議院決算委員会において衛藤晟一参議院議員が質問に立ち、福岡の陸軍墓地(※注)の例を上げ、かっての占領政策の一環で戦没者追悼についての一切の法令、制度が破壊された結果、明治維新から日清・日露、大東亜戦争に至る国内82ヶ所の軍人墓地の管理は地方自治体に丸投げされた状態で、その多くが荒廃していることを指摘。改めて国家として管理すべきではないかと追求した。
舛添厚労大臣は、「大きな意味での戦後処理での一環ですから、これは関係省庁と連携を取りながら、国の責任としてきちんと管理していきたいと思っております」と応えた。また、衛藤議員は遅々としか進んでいない海外の遺骨収集についても質した。
(以上、「祖國と青年」記事抜粋)
(※注)福岡県陸軍墓地(谷陸軍墓地)は現在、国有地として財務省理財局の所管で戦後、軍所有の土地や施設は国有財産法に基づいて、国の一般財産として大蔵省に移管されている。また昭和44年、大蔵省は福岡市の谷陸軍墓地を福岡市に対して無償貸付、管理者は福岡市市役所(公園部分:福岡市中央区役所、墓地部分:福岡市保健福祉局)と契約を結んでいる。
谷陸軍墓地は福岡県郷友連盟主催で毎年10月、慰霊祭を実施している。平成17年の福岡県西方沖地震での被害により、石碑や骨壷に重大な被害があり、地元有志で陸軍墓地石碑修復改良委員会が設立され、有志団体、個人の浄財で平成20年11月に修復完了、翌12月6日に福岡陸軍墓地修復落成式が挙行された。衛藤晟一参議院議員はこの現状について国、県、市の管理責任並びに英霊に対する国の責任を問うたものである。
福岡県郷友連盟会長
中野純人
この記事へのコメント
福岡の陸軍墓地のお話は初めて知りました。
政府が墓地の管理に動いたのは喜ばしいことと思いつつも、なぜ死者の思いを汲み取ろうとしてこなかったのかという思いがあります。
日本国内でさえもそうであるなら、海外の日本人墓地などはどうなってしまっているのでしょう。かつて、山下奉文大将の墓地がようやく修復されたというのを知りましたが、山下大将でさえもこの程度なら・・・。
個人的に『世紀の遺書』に親しんでいるせいか、気になっています。
高野山のような寺院ならば、ある程度維持もできるけれど・・・。
こうした墓地管理とともに、国難に殉じられた方々の「声」を史料から「聴く」ことも必要だと思います。例え、自分の思いとは別であったとしても・・・。(「信じるゆえにこそ信仰を抜きにして現実を赤裸々な目で見、理解することができるはずである。このような態度は開かれた姿勢、勇気を必要とする」と私のお世話になっている神父さまが書かれています。私もその通りと思っていますが、自分がこれまで思っていたことと違うことを受け止めるのは確かに難しいですが、それを乗り越えようと皆が努力するときに来ているのではないでしょうか?
これは何もカトリックとか仏教に関わらず、広く「目に見えないもの」を相手にする場合に必要な姿勢ではないでしょうか。
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