元内閣総理大臣・衆議院議員
麻生太郎
本日、軍神古野繁實元海軍少佐の慰霊祭が遠賀中間地区郷友会主催のもと厳粛に執り行われるにあたり、ご英霊に対して謹んで哀悼の誠を捧げ慰霊の言葉を申し上げます。
昭和16年12月8日、軍神古野少佐は、「国を守る」即ち「愛する家族を守る」という強い使命感と勇気をもって、生還を期しない特殊潜航艇に搭乗し、真珠湾にて愛艦と共に身を挺して祖国のために散華されました。
激烈を極めた先の大戦から70年の歳月が流れ、今日の日本の平和と経済的繁栄は、尊い生命を国のために捧げた多くの人々の上に築かれていることを片時たりとも忘れるべきではありません。
これからも、過去の歴史を謙虚に振り返り、戦争の悲惨さと教訓を次の世代に継承すると共に、先人が守り伝えてきたわが国の歴史・伝統・文化を尊重し、戦没者の方々に対する敬意と感謝の心を伝えて参りたいと思います。
今日、世界情勢は経済、政治、紛争と激変し、わが国を取り巻く安全保障課題や不安定要因は、多様で複雑かつ重層的なものとなり、自国の防衛や安全のみならず諸外国との交渉、外交、協力を強化し、国家の主権、領土を守る取り組みが重要な課題であると考えます。
国内においては、本年3月に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらしました。
私たちは今こそ、この災害を機に、国民がより一層強い絆で結ばれ、日本の復興にむけて一致団結してこの難局を乗り越えていかねばならないと存じます。
最後になりましたが、遠賀中間地区郷友会 中田和信会長並びに関係各位の皆様のご尽力に心から御礼申し上げますとともに、ご参列の皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、追悼のご挨拶に代えさせていただきます。
平成23年12月8日