遠賀中間地区郷友会
副会長 仲野 丈
本日ここに、関係各位のご尽力のもと、古野繁實元海軍少佐の慰霊祭を挙行することが出来ましたこと、厚くお礼申し上げます。
これもひとえに、祖国のため、家族のために殉じた故人の仁徳はもとより、皆様方一人ひとりに日本国民として脈々と受け継がれてきた、この国を思う心の現れであると敬意を表するものであります。
古野繁實元海軍少佐は、昭和16年12月、太平洋戦争における緒戦の戦果を確保すべく、真珠湾において自力生還を期し得ない特殊潜航艇にて出撃し、散華されました。私は、戦時中は、この特殊潜航艇の基地であった愛媛県と海路が開け、「回天」の訓練基地でもあった山口県徳山市で少年時代を過ごし、海軍将校の白い制服に憧れと畏敬の念を抱いて育ちました。
昭和20年8月の敗戦を受け、国民の総努力による戦後復興、高度経済成長を経て、70年の歳月がながれてましたが、当時の海軍将校の行動規範は、今でも国民の精神的支柱として、屹立していると言っても過言ではないと存じます。
今日の日本の平和と繁栄は、太平洋戦争における戦没者の尊い犠牲のもとで築かれたものであり、私たちは残されたものの使命として、英霊の思いや戦争の悲惨さと教訓を脳裏に刻み、後世に語り継がなくてはなりません。
本日の慰霊祭を、「故きを温め、平和な未来を築く一里塚、二里塚」と位置づけ、古野繁實元海軍少佐の国や家族の安寧を願う御心を引き継ぐとともに、日本の平和と発展に精進することを御誓い申し上げます。
平成23年12月8日