元自衛官、福島県出身参議院議員として先の震災に関し、九州における被災者支援に対する謝意を表明。
普天間移設、尖閣・竹島領土問題、震災時の政府の対応等から政治家、国会議員、国民の意識に関する問題を提起し、国を守る意義について語られた。国民の防衛意識を越える防衛力は作れないし、国民の領土意識を越える領土政策も作れない。そのためには、義務と責任が個人の権利と自由に優先する意識の醸成が不可欠。
自衛隊の任務を多くの人が「国民の生命と財産を守り、国の平和と独立を守る」或いは「国の平和と独立を守り、国民の生命と財産を守る」と捉え主張するが、いずれも間違い。順序が違う。まず独立が先、平和であっても独立がない場合もある。国を守るということは「国の独立と平和を守り、国民の生命と財産を守る」が出発点でなければならない。この原則を外すと事が起こったら何でも自衛隊となってしまう。
従って、自衛隊の訓練は国の独立と平和を守るための厳しい訓練が大事であって、訓練のための訓練であってはいけない。我々が守るべきものは「国の独立と平和」と「国民の生命と財産」、その他にもう一つあることをイラクの現場で感じた。それは「国柄」。イラクでは日本人に対する信頼感は絶大。
その理由の一つが、日露戦争で小国日本が大国ロシアに勝ったこと。さらに80年代半ばまで多くの日本の企業がイラクに行って国作りをしたこと。我々の先輩が築いた信頼基盤が今も残っている。先輩が残してくれた日本人の価値観、日本人の良いものを継承しなければいけないと思う。
今後とも郷友連盟の皆さんとともに義務と責任が尊重され、個人の権利と自由を超越する意識の大切さを伝えていきたい、と述べられた。