⑪イスラエル国防視察団に参加して(所感)


今回のイスラエル国防視察団旅行に参加して、私なりに総括してみたいと思います。
旅行前は、「イスラエルは中東で苦労している小さい国」としか感じていませんでしたが、実際現地に出向いて研修を重ねる内に、今の日本に欠けている日本の誇りと国防意識について小さい中東の国、イスラエルに学ぶべきところが沢山あることに気付かされました。
以下、思いつくまま、項目別に列挙したいと思います。
1.国防意識が非常に強いこと。
・国民皆兵(男子3年、女子2年の兵役の義務がある。)
・防衛兵器の自国開発、その輸出により防衛産業の発展に努力している。
(装備性能は敵国よりも上でなければならないという信念で研究開発に力を入れている。)
・回りが敵国に陸続きで囲まれており、しかも地理的に縦深性が浅く戦略的不利な立場を補うためには、先制攻撃も有り得るとしている。
2.民族の誇りが強い。
建国僅か66年ですがユダヤ人としての3千年以上の歴史(紀元前11世紀に繁栄していたイスラエル王国)に誇りを持っている。また2千年前のローマ軍と戦って玉砕したマッサダの砦を発掘以来、その広場をイスラエル軍兵士の宣誓の場所として、建国誓いの場としている。
国立の軍人墓地、ヘルツェルの丘を整備し、建国以来の2万人の英霊の軍人墓地として国を挙げて維持管理をしている。草花を絶やさないよう、常に注水管理された墓地としている。日本では天皇陛下が未だ靖国神社参拝できない現状にイスラエル国民を見習うべきと思う。
3.開拓精神旺盛
・ガリラヤ湖から淡水を荒地に引き、農地を増やす努力をしている。
・農場(ヘブライ語では”キブツ”と言う。)を基本に労働と教育を共有している。
日本ではイスラエル人が住んでいたパレスチナ人(アラブ人)を追出して建国したと思われていますが、実際は砂漠等の荒地を当時支配していたオスマントルコの地主から購入し、農場(キブツ)を基本として開拓してきたもので、その農場にアラブ人が集まって生活を共有してきたものです。イスラエルは今でもアラブ人とは共存を希望しています。(反面、ハマスはイスラエルを殲滅するまで戦うと宣言しています。)
4.民主主義の国として維持
「アラブの春」でアラブ諸国も民主主義国家になるかと思いきや、まだまだ専制国家が継続されています。その中の中東においてイスラエルは民主主義国家として建国しております。ホロコーストの再来がないよう、アラブ人との共存にも努力している。
ガザ地区にはインフラ整備等、イスラエル国家予算を投入しているが、ハマスは一文も税金をイスラエルに納めていない。
5.教育の充実
3日目に外務次官が強調した言葉を引用したいと思います。(以下外務次官引用文)
その中で教育が一番重要と思っております。教育こそ国家を守る安全保障だと思っております。イスラエルの教育は学校だけではなく軍隊の経験も含まれます。
世界の考え方は国家から個人主義になりつつあります。若者は国家というよりは個人の平和を求める傾向にあります。従って私達の国民皆兵制は軍隊で単に強くするだけではなく教育機関を通じて人間として成長させる、成熟させていく、責任を持つ、技術を見に付けさせて社会に役立つ人間になるよう教育を実施しています。
軍隊では全て平等です。彼らは人間として成長して責任ある大人になって社会に出て行きます。そして最も重要なのは同じ目的のために自分を奉仕に捧げていくことを学びます。
従ってイスラエルでは経験しておりますが田母神閣下の新党におかれましてもこのような教育を考えられたら如何でしょうか。素晴らしい若者が成長していくと思います。日本において若者が3年間軍隊経験をすると全く変わった日本になると思います。
これは個人的な見解ですが私も妻も子どもも皆軍隊の経験があり、国家に奉仕したお蔭でよきイスラエル市民になることが出来たと思っております。
6.イスラエルと日本の繋がり
古代のイスラエル王国時代から12支族の1支族が日本列島にも渡ってきて神道に繋がっているという説もありますが、近代のイスラエル建国にも日本は深く関っております。それは日露戦争まで遡ります。
イスラエル開拓の父と呼ばれるトルンペルドールは日露戦争で旅順でロシア兵として日本軍と戦い、日本軍の捕虜となり、大阪の収容所に入所し、そこで日本の武士道の素晴らしさを学び、この精神でイスラエルを建国しようと思い立ったのです。
彼は建国途上で倒れますが最後の言葉「国のために死ぬことはよいことだ。」は武士道の精神が表れています。彼の精神が今のイスラエル建国の精神に繋がっていることを感じながら帰国しました。
最後に旅行間、一番感激した写真と動画を添付いたします。

ヘルツェルの丘で集合写真
イスラエルと日本の両国歌を斉唱した後記念撮影

両国国歌斉唱動画
イスラエル国家に命を捧げた2万名の英霊に誠を捧げます!

イスラエル・マクヤ・センター訪問

「イスラエルの翼」合唱動画
最後にマクヤセンターの日本人留学生たちにエールを贈りたいと思います。

 

平成26年10月11日
福岡県郷友連盟事務局長 稲葉 敏

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この記事へのコメント

  1. 守山 善継 より:

    稲葉様、視察団の皆様
    大変お疲れ様でした。全行程のレポートを拝見致しました。異国情緒あふれる内容に新鮮な驚きと世界は広いと言う感慨を受けました。一方、今の日本の現状とイスラエルのそれと比較してみると、考えさせられますね。例えは悪いでしょうが、イスラエルがしっかりした人格を持った大人とすれば、残念ながら、日本は強い幼児性を残したまま、十分に成人になりきれていないない印象がありますね。70年前、マッカーサーが「日本人は12歳」と言った観察眼は、必ずしも的外れではないのではないだろうか、と思わされるイスラエルレポートでございました。
     また、イスラエルに仇をなした歴史を持つ、ドイツ(プロシア)の軍人で「戦争論」を記したクラウゼヴィッツが、「民族からその魂が消えたときその民族は滅ぶ」といった趣旨のことを述べているのですが、稲葉さんの一連のレポートを拝見すると身につまされます。
     イスラエルに比べると、現代日本人は消えているとまでは言わないまでも、その魂、国民精神、スピリットは相当薄いのではないでしょうか。
     やはり、イスラエルは魅力に富んだ国であることを、この一連のレポートにより教えられました。「逆転の発想」シリーズを出された、故糸川英夫博士が入れこまれたはずです。
     もし、機会あれば帰国報告会の開催を、是非お願いしたいと願う次第です。

  2. 福岡県郷友連盟事務局長 より:

    守山さん、早速の感想ありがとうございます。
    日本の四国しかない小さな国で、人口も800万人しかいない国、しかし3千年以上の歴史にしてもホロコーストでユダヤ民族の半数に匹敵するヒットラーのホロコーストを経験した民族が近代において建国したイスラエルは日本人としても戦後の誇りある日本を取り戻さなければイスラエルの人々に申し訳ないと思った旅行でもありました。
    この感激を少しでも多くの日本人に広めて行くのことが日本の誇りを取り戻す我々の使命ではないかと改めて感じた次第です。

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