下関基地隊研修参加所感


10月19日に下関基地隊研修に参加された守山善継氏から所感文をいただきましたので以下に掲載いたします。

福岡県郷友連盟御中
拝啓

仲秋の候となりました。貴連盟におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。10月19日、晴天の中、海上自衛隊下関基地並びに長府の史跡巡りの研修に参加致しました。私にとっては、お世辞でなく、誠に内容の濃い研修旅行でありました。

会社の同年代の同僚や、ブラジルに住む日系2世の友人たちにも見せてやりたかったというのが今の想いです。特に、日系2世たちには、その琴線に触れるものが必ずやあったろうと、彼の地の2世たちの顔が浮かびます。

バスの中での挨拶では、中野会長も吉田理事長も場慣れされているだけに短い言葉の中に鋭い指摘を含められた内容でした。「軍事力なき外交は必ず潰されるのが歴史の教訓だ」と言われた中野会長、またレンジャーの訓練について語られた吉田理事長の話は経験者のみが語れるものでした。私は会長の話を聞いて、その歴史の教訓の具体的な例を知りたいと思われる方は、元サウジアラビア大使の岡崎冬彦氏が1991年に書かれた「繁栄と衰退と」を是非おすすめ致します。これは、繁栄の極みから衰退に向かおうとする17世紀のオランダの様子が書かれており、17世紀のオランダと現在の日本の様子が瓜二つだと鳥肌が立ちます。また、軍事力の機能を不十分にしか発揮できない時の外交の失敗例は、アメリカの連邦高裁判事だったRobert Bark氏が”Slouching toward Gomorrah”の第1章に紹介されています。

ところで、下関基地での説明と見学は短時間でしたが、私は二つの感動を得ました。

一つは、資料館の中にあった殉職者の写真と記事です。新聞や書籍で見る「殉職者」という感覚は身近に感じられるものではありませんが、あのように写真を添えた記事を見せられると万感胸に迫るものがあります。任務の途中で命を落とされた隊員への慰霊は大切だと敬虔な気持ちになります。昔は「お国のため」との誉れに浴した人たちであったのでしょう。「お国」というのは人間の自然な本能ではないか。何故なら、有史以来、数千年を経ても「国」以上の共同体は出来ないのではないかと岡崎氏は述べられています。

二つめは、「技術」への想いです。民間の技術とは桁が違うように思いました。一目見ただけで、これは総合産業の賜物だと直感しました。使われている品々が多岐にわたり、裾野の広い産業と技術の基盤があって初めてできるものだと思い知らされました。
「海軍は技術で持っていた」とは評論家の言葉ですが、正にそのとおりでしょう。そして、戦陣の足跡を思う時、開国100年足らずでよくこのような産業の基盤を作り上げていたものだと、その偉大さを感じ入る次第でした。「会長、これは是非工学部の学生に見せてやりたいですね」と言った私に、「そうだね」と会長も答えていただきました。このような技術を見せつけられると、中国やその他外国がスパイをしてでも技術を盗もうとするのも当然でしょう。ちょっと心配なのは、日本は外国勢力から伸びてくる魔の手に対し、スパイ対策は大丈夫なのでしょうか。

掃海艇搭載の機雷処分具航走体(黄色物)
掃海艇搭載の機雷処分具航走体(黄色物)

その後、長府に残る史跡巡りに参加しましたが、明治に陸軍顧問として来日したメッケル少佐が参謀旅行で古戦場跡を尋ねて講義したというのも、さもありなんと納得した次第です。残っている数々の史跡の前に立つと、現代は過去からの繋がりの結果として存在していると実感できるものがありました。現代に生きている私の感性が、当時の様相や雰囲気を共有するのです。恐らく私の遺伝子の中に、時空を超えて感じさせるものが伝わっているのでしょう。

アメリカの博物館や、ブラジルの記念館に行くと、トーマス・ジェファーソンが使った机とか、ドン・ペドロ2世の愛用した家具とか、我々日本人から見たら、何の変哲もないガラクタに近いものが歴史と伝統を語るものとして展示してあります。それほど伝統や歴史というのは人々の心の支えになるのでしょう。その点、我々現代の日本人は、もっと伝統を大事にすべきではないでしょうか。

忌宮神社にあった明治維新に活躍した人々の写真を見て、強烈に感じさせられたことは、「現代人とは顔つきが違う」ということでした。きりっと引き締まった顔は、正に武士の顔であり、教養に裏付けられた意志を持った顔です。あの凛として気品のある顔立ちは、我々の及ぶところではありません。明治の人たちの顔を見ていると、我々は先人の遺産で生きているのではないか、そして我々はその遺産を食い潰そうとしているのではないかと思います。どうやって我々はこの日本の心や伝統を子孫に伝えていけばいいのだろうと考えさせられるひと時でした。

明治維新に活躍した門下生

現代の日本では、”国際的”という言葉がステイタスであり、先進的な感覚として使われていますが、私は自らの経験として日本人として豊かな素養と人間性のない人は絶対に”国際的”にはなれないと断言できます。節度と礼儀を知らず傍若無人に振る舞うのが”国際化”と勘違いしている一部の日本人は、外国の人々からは軽蔑と侮蔑を受けるだけです。

今度の研修に参加された方は年配の方も多いのを見て、孫と一緒に参加できる企画もいいのではないかと思いました。「三つ児の魂百まで」といいます。純粋な時期に、先祖達の立派な行いを祖父から語られるのは心の糧になるでしょう。今後とも、こうした実のある研修を企画していただくようにお願いいたしましす。

敬具
平成22年10月21日
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